ばんない写真館
表紙写真>2009年度>城崎温泉と「黒部の太陽」4
※行った直後のショートレポートは
こちら
…実はこの山上、かつては温泉寺の奥の院の伽藍がありました。
公式HPによる在りし日の姿
が、経年劣化で倒壊寸前となり解体、今は閑散とした状態です…(追記:
2009年5月から再建が始まったそうです!)。
黄金のいかにも最近建てられたような観音様と…
カニ塚 があります。
※写真左辺りをクリックしてみましょう
この城崎を含め、鳥取〜石川県南部の日本海沿いは日本屈指のマツバガニの名産地で、当然城崎温泉も訪問した3月はカニシーズンラストでした。観光客もカニ目当ての人が多かったようで。
その観音像・カニ塚の向かい辺りは、こんな時代劇に出てきそうな光景が残っています。昔の山岳寺院の名残を感じさせられます。
展望台の下から見た城崎
昭和っぽいオブジェ(爆)
山頂はだいたい見終わったようなので(15分もあれば十分かと)、先ほどの温泉寺駅まで戻り、温泉寺に参拝します。
本当に駅の真横に寺です。
…というか、寺の軒先をロープウェイが借りて駅にしてるというか(^^;)
ちなみに駅の構内には
こんな物もあります。
ちなみに係員が規模の割に比較的多い城崎ロープウェイとはいえ、この「温泉寺駅」は無人駅です。ここで下りるときにはロープウェイに乗っている係員の方に事前に言っておきましょう。そうしないと通過されてしまいます…。
温泉寺の本堂「大悲殿」
室町時代の建物で、国重文です。
中も見学できます。外からでは分かりにくいですが、かなりぼろぼろで(特に床がヤバイ)たぶんもうそろそろ補修が必要かな…。
屋根の木組みの構造がすごいらしいのですが、保存のためか照明が落とされている上、見てのとおり完全に戸が閉まっている状態なので、暗くて見えにくかったです…。
中の本尊は十一面観音像(国重文)で、元々は
奈良・長谷寺の観音像と同じ木から掘り出されたと言われてます…そういえば
鎌倉の長谷寺もそんなこと言ってたし、他にも「うちところの観音様は奈良の長谷寺の観音様と同じ木から掘り出したんですよーおそろいですよー」という言い伝えのある寺は
わんさかあるようです。…昔の日本はトンデモナイ巨木が多かったんでしょうねぇ、って奈良時代の日本はジュラ紀ですかヾ(--;)。…実際は平安時代中期頃の仏像じゃないかと推測されています。
最も、私が行ったときには開扉期間ではなかったため観音像は見られませんでした。残念。
手前の庫裏(本坊)には平安時代後期に作られたと推測される(寺伝では弘法大師作)
千手観音像がありました。
あと目に留まったのが江戸時代前期の超どマイナー天皇ヾ(--;)後西天皇の位牌があったことです。どうも江戸時代にここの中興を行った女性が後西天皇の関係者らしい。
本堂向かって右横の高台にある多宝塔。
そういえば
高雄の神護寺も本堂横の高台に多宝塔がありました。神護寺も、この温泉寺も真言宗というのが共通点ですが、偶然の一致なんでしょうか?
多宝塔向かって左横にあった宝筐印塔
高さが私の背より低かったので、たぶん豊岡市文化財の方だと思います。
もう一つ、高さ175cmあるという鎌倉時代作の国重文宝筐印塔もあったらしいのですが、気が付かなかったのか写真には撮ってないですね…(T-T)
多宝塔前にあった高さ50cm弱程度の小さな石塔。「文化十二○戌年 六月吉○ 温泉寺(以下読めず)」とある。
温泉寺本堂の更に奥の方に「城崎町博物館」があります。昔の町立博物館ですが、今は城崎温泉と温泉寺の歴史だけに特化した小さな博物館です。…温泉寺所蔵の平安時代から伝わるたぶんありがたい仏像(虫食いで崩壊寸前のものが大半)と古文書(中味が何書いてあるのか不明、日誌らしいが)など、貴重ですが、そのありがたさがぴんとこないような展示でした。もうちょっと工夫が欲しいところ…ここは時間のない人+平安時代の仏像に興味のない人はパスしてもいいかも。
ロープウェイに乗って、最初の駅に戻ります。温泉寺の山裾の伽藍・薬師堂に詣でます。
温泉寺の参道と
山門(仁王門)、そして薬師堂の屋根です。
…普通は参道を通って正門を通り、堂塔を回るのですが、今回は全く逆に回りましたf(^_^;)
※写真クリックで拡大
薬師堂
本堂と比べれば一目瞭然、比較的新しい建物と言うことが分かります。
江戸後期・文化年間(1804〜1817年)に再建された物で、中の薬師如来も新しい物です。
お堂の内陣にまでは入れません。仏様も外から拝みましょう。
この薬師堂の前に
有島武郎歌碑 と
飲泉場があります。
※両写真ともクリックすると拡大
有島武郎の歌は「浜坂の遠き砂丘の中にしてわびしき我を見出つるかな」これを書いた翌年に自殺したそうです…
飲泉場は城崎温泉に3ケ所
(駅前、一の湯前、ここ)あり、そのうちの一つで一番泉源に近いです。しかも実は穴場で、観光バス用の駐車場にも近いにも関わらず、
誰もいない。待ち時間0秒ヾ(--;)。
となればやることはただ一つ
大量にお持ち帰りしました!4リットル!(;¬_¬)
…これが狙いの一つで、わざわざペットボトルの空瓶を持っていったのだった。
色は無色透明、においも無し。…が、飲んだら塩辛い!海水飲んでるみたい。
ちなみにこれでご飯炊いたら非常においしかったです。
温泉寺の門前に、城崎温泉の泉源があります。
泉源横の看板によると自然湧出量は150リットル/分だそうですが、城崎温泉の旅館数と外湯の規模では全然これでも足りないんでしょうね…
この横に城崎温泉で5ケ所ある足湯があったのですが、こちらは飲泉と違って座る場所もないくらい大混雑でした…。
温泉寺は以上で終了。
次の電車までちょっと時間があるので、気になる外湯に入ってみます。
…
続く。