ばんない写真館
表紙写真>2009年度>城崎温泉と「黒部の太陽」3
※行った直後のショートレポートは
こちら
城崎温泉と深く関わりがあるのが
温泉寺です。寺伝では城崎温泉を発見した道智為る僧侶が養老年間に建てたと言われています。…養老年間までさかのぼれるかどうかはともかく、お寺に伝わっている仏像には平安時代の物もあり、相当古い寺院であることは確かなようです。
温泉寺は一種の山岳寺院で、山の中腹にある本堂と山裾にある薬師堂が主要伽藍です。
歩いても本堂まで行けないことはないのですが、時間がないのと老化した身体で登山なんか出来るかヾ(^^;)…と言うことでロープウェイを使います。
この
ロープウェイこそ、
「黒部の太陽」ゆかりの乗り物なのです。
「黒部の太陽」こと
黒四ダムの建設の責任者であった当時の
関西電力社長・
太田垣士郎はこの城崎の出身でした。晩年、城崎の観光振興のためにロープウェイ敷設に尽力します。山上にある温泉寺への訪問への便宜を図るのが目的でした。昭和37年(1962年)8月のことです。その翌年の5月に71歳で亡くなりました。
ロープウェイの駅は温泉寺前駐車場の脇にあります。
…断崖絶壁の上_| ̄|○
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お年寄りの侵入を拒むヾ(--;)長すぎる階段!⊂(。Д。⊂⌒`つ
※便宜のため一応無料で使える杖がある(左写真参照)
…昭和30年代ならこれでも良かったんでしょうが、平成の今じゃこの階段上るのがアンチバリアフリーで、どこが観光客への便宜を図っているのかと小一時間説教したいくらいですヾ(--;)
お年寄りは最近若者より健脚の人が多いからともかく、車椅子の人とか絶対無理ですよね…。
このロープウェイ駅の真横に太田垣士郎の資料館があります。
写真真ん中の銅像が太田垣士郎。映画『黒部の太陽』では滝沢修が、先日のTV版では中村敦夫が演じていたそうです。…中村敦夫とは違うような(^^;)
小さいけど無料。入ってみましょう。
これは佐藤栄作への書状
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内容は山陰本線電化についての陳情。
その後、山陰本線全電化は今でもなっておりませんが、福知山線−(福知山)−山陰本線という経路で城崎温泉までは電化されました。ちなみに、山陰本線起点の京都から福知山までが電化されたのは割と最近で、あの野中広務の地盤が山陰本線沿線だったため尽力したのではないか、と京都では噂されております…。
…脱線した。
展示内容ですが、上記のような書状の他、太田垣が趣味にしていたお茶道具とかゴルフセットなどが展示されています。古き良き昭和の企業人!という感じの物が多かったです。
ちなみに太田垣士郎が
茶道(遠州流)を趣味にしたのは、関西電力に入る前に勤務していた
阪急電鉄(当時「京阪神急行電鉄」)で、
百貨店に出向させられ美術部に勤めていたことがきっかけなんだとか…実はこの百貨店勤務時代が太田垣にとっては非常に苦痛だったらしいです(^^;)そんなこともあってか、阪急電鉄創始者の小林一三とは実は仲は良くなかったらしい、ということも資料館の説明にありました。
ちなみに2008年の12月に実に数十年ぶりに『黒部の太陽』映画版の完全版が一度だけ上映されたのですが、その場所が大阪の
梅田芸術劇場。実は阪急の関連会社です。今までどんなオファーが来ても、版権を持っている
石原プロがすべて断ってきたと言われていますが、こういう縁があって断れなかったようですね。
では、1時間に2本のロープウェイの発車時刻も来たようなので乗ってみましょう。
係員の方ですがはっきり言って
神戸のあのロープウェイより遙かに多かったです。阪急とか関電から支援でもあるのかな。
ロープウェイから上を見上げると、結構谷深いです。
※
神戸のロープウェイと比較してみましょう。こっちはもっと怖いが(^^;)
ちなみにこのロープウェイ、中間駅があります。中間駅のあるロープウェイは日本ではかなり珍しいらしい。
左の写真はその中間駅「温泉寺」から撮った物。なんと温泉寺の庫裏の真横に駅があります。ロープウェイも庫裏の屋根すれすれに通過。
乗車すること約8分程度で到着。
…高所恐怖症の人には悶絶の光景…
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この「山上駅」の真上が展望台になっています。上ってみます。
ここから見ると一気に上ってきたことがよく分かります。
手前にある赤い屋根が「山上駅」、そのちょっと上に写っている小さい赤い屋根が先ほど通過した「温泉寺駅」その上に細長く広がっている人家が城崎の温泉街です。
遠くに円山川と日本海も見えます。
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上の展望台から見た光景を180度。
…こんなに景色がいいのに、展望台に居たの私だけでした_(。_゜)/…寒かったからでしょうね。
他のアベックの皆様は、駅内にある喫茶店(暖房完備)でみたらし団子食べてられました…。
次に温泉寺の奥の院に行きます
…続く_(。_゜)/ →
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