地下鉄駅前の交差点を左折(東側)に歩くこと5分で次の交差点。 この南北に走る道は「奈良街道」といい、東海道から途中分岐し、奈良に向かう街道があったという、歴史的に由緒正しい道なのである。ちなみにこの道をまっすぐ南下すると醍醐寺に出る。 小野随心院はこの交差点を右折する(南に曲がる)。
すぐに見える随心院の正門。 実は京都に長く住んでいた物の、随心院に来たのはこれがはじめて。こんな立派なお寺とは知りませんでした(^^;) パンフレットの説明によりますと「正式名は”牛皮山曼陀羅寺”。平安時代中期の建立で、その後応仁の乱により衰微し、江戸時代はじめに九条家・二条家によって再建された」かなり古いお寺のようです。しかしこのパンフレット ・江戸時代に「徳川秀忠夫人・天秀院尼によって寄付が(略)」 ※秀忠夫人・お江与の方の戒名は「崇源院」 ・鎌倉時代に後堀河天皇によって門跡寺院となる ※門跡寺院は天皇の皇子が坊さんとなってはいる寺です。随心院の歴代僧侶には皇子はおらず、この定義には当てはまらないようなんですが… などなどつっこみ所満載ですヾ(^^;) …まあ、余り痛いところをつんつんするのも無粋ですので(^^;)ここまでにして。更に詳しい説明を知りたい方は公式HPのこちらへ。
毎度おなじみいい加減な随心院境内図 ※地図をクリックすると、該当場所の説明に飛びます。
(1)庫裏 江戸時代中期に二条家の建物が移築された物。ちなみに前出の正門も二条家邸の門だった物。 (2)客門・大玄関 ※クリックすると大きな写真が別ウィンドウで立ち上がります。手前の門が客門、後ろの大屋根が大玄関。 随心院の説明によると「寛永(江戸時代初期)の頃に徳川秀忠夫人・天真院尼によって寄贈」とされる疑惑のヾ(^^;)建物。 もっとも別の説明では「九条家縁の女性・天真院尼」ともあり、たぶん九条忠栄夫人・完子(母は秀忠夫人・お江与の方)あたりが天真院尼の正体なんじゃなかろうか。情報求む。 (3)表書院 ※クリックすると大きな写真が別ウィンドウで立ち上がります。奥の建物は大玄関。 やはり疑惑の女ヾ(--;)天真院尼によって寄付された寛永頃の建物。ちなみに、その中はというと ※写真の一部をクリックすると拡大写真が別ウィンドウで立ち上がります。 ホントは撮影禁止なので、撮影許可エリアから望遠使いまくって撮影しました(^^;) 左側が建設当初の状態を残している部屋で、狩野派の派手なふすま絵が目立ちます。 奥が松の襖を閉めると能舞台に変身するというグッドアイデアが光る「能の間」で、近年改修されたため新しい建物に見えます。この松の襖の奥は実は仏間で、「小野小町100歳の像」「小野小町の恋文を漆で固めて作った観音像」などアヤシゲな寺宝がいろいろヾ(--;) それにしても狩野派は徳川幕府と縁の深い工房ですので、ますます天真院尼=完子夫人の疑いが強くなってきました。 (4)本堂 ※クリックすると大きな写真が別ウィンドウで立ち上がります。 慶長4年(1599年)の建築。ちなみに随心院の本尊は「如意輪観音」 ※本堂に安置されている仏像は公式HPのこちらで ところでこの本堂の前庭の苔は非常に見事です。「洛巽の苔寺」という別名があるらしい>随心院 ちなみに残念ながら庭は降りて拝観できませんでした。 (5)奥書院 左:奥書院 右:その前にある中庭 庫裏の裏側、表書院の北側の奥まったところにあるので奥書院。またしても狩野派のふすま絵で飾られた書院造りの立派な建物なのだが、ここのふすま絵は「七聖図」など御所の清涼殿のそれをそっくりまねしているのだという。いかに随心院がアヤシイ門跡寺院ではあるが格式が高いかと言うことはここからも伺える。 特別拝観で見たのは以上。 以下は開門時間中は拝観自由なものです。 (6)小町の井戸 ※写真の一部をクリックすると拡大写真が別ウィンドウで立ち上がります。 境内南西隅の竹藪の中にある。小野小町が美顔に使ったと言われる井戸…なのだが、現状は見ての通り。これで顔を洗わないように。 (7)梅園 実は北野天満ほどではないけど、梅の名所である随心院。但し規模はかなり小さい。梅の開花中は別料金が必要となる(○。○) (8)その他 小野小町の筆塚や平安時代の頃の金堂跡などが東側の竹藪の中にあったようなのですが、藪蚊が多そうだったので見てません_(。_゜)/
小野随心院は実は行くまではそれほど期待していなかったのですが、この後行った勧修寺と非常に対照的な建物だったので、実に印象深い拝観となりました。 ただ、お寺の売りである「小野小町の寺」というのに過大な期待を抱くと、かなりがっかりすること請け合いですが…ヾ(^^;) ※実際この地は小野小町の実家・小野氏のゆかりの地ではあるらしいのですが、お寺自体は小野氏とは全く関係ない!とお寺の人がいってたくらいなので…
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